"今井果穂は悪い女だから、お仕置きをしなくてはならない。そう、真剣に彼女のことを
思いつづけていた私の真心を踏みにじったからだ。私は今井 果穂のためにすべてを
失った男だ。もう、何も怖いものは無い。徹底的に復讐をしてやるんだ。

今井果穂が私の前に現れたのは今から約2年前のことだった。通勤電車の中で毎日
顔を会わせるうちに、互いに微笑みを交わすようになり…そして、最初に声を掛けて
きたのは彼女の方からだった…私は完全に舞い上がっていた…それが私に通常の
判断力を失わせていたのだ…。

あの女は悪魔だった。あの可愛らしい笑顔の奥に隠された素顔を、私は完全に見誤って
いたのだった。一度きりの過ちだったのに…昼下がりのラブホテルで私たちは結ばれた…
そして、その次の日には、私の性器の特徴までもが詳細に綴られた告発文が、
私の通っている会社内に配られたのだった。

あっという間に噂は広まっていった。好奇の目と侮蔑の目…どんなに弁解しても、
社内の人間の疑惑の目は私の背中に集中した。そして、当然のことながら…私の
自宅にもご丁寧に配信されてきた。妻と娘は…いともたやすく私に背を向けた。
もともと家庭の中にはすでに居場所がなかったのは確かだが…。

私はあの女の真意を確かめようとした。交換した携帯の番号に何度も電話を掛けた。
何度も何度も掛けた…しかし…呼びだし音がむなしく響くだけだった。私は、彼女の
着ていた制服を頼りに、学校を割り出して待ち伏せをした。

私の表情は尋常でなかったのだろう…彼女が出てきた瞬間、私はまさに飛びかからん
ばかりの勢いで、彼女の目の前に踊り出た。私の狼狽振りを見て、あの女は大胆にも
笑ったのだった…「なんで、あんなことをしたんだ?」私は叫んでいた…
「おもしろそうだったからだよ」

その一言で逆上したのは言うまでもない。彼女に飛びかかろうとした瞬間に、私の両腕は
見知らぬ男によってがっちりと掴まれてしまった…。あの女がこちらに笑顔を向けている…
私は大声で言葉にならない言葉を叫んでいた…。

あれから2年経った今…すべてを失った私には、復讐心しか残されてはいなかった…
今井果穂をなぶってやる…そう誓うことこそが私の生きる証となった。私は全財産を投入して
危険な男達を雇い入れた。その男は「どこまでやっていいのか?」と聞いてきた。

私はこう答えてやった。「好きなように、行くところまで行ってかまわない」。男の顔に喜びの
色が浮かぶ。私ももちろん立会うつもりだ。カメラとビデオを用意した。泣き叫ぶ顔や、
汚らわしいオマンコの写真を撮りまくってやるんだ…そして、この街の、いや、日本全国の
男に配ってやったっていい…もう、何も怖いことはない…俺は、何でもできるんだ…見てろよ…。"